見かけの単価

はしもとさんのmixiを読んで。

僕はまだ現場で本当のオフショア開発というものを経験していません。
ただし、支援という形で第三者的に開発現場を観ていると「このままじゃ本当にまずいんじゃないの?」という考えが浮かびます。特に管理者の意識を変えないといけない気がしてなりません。
日本の開発者は単価で勝負すると間違いなく中国の開発者に負けてしまいます。半額近いもん。
少なくとも管理者でぎりぎりの受注額で利益を出そうとするとどうしても人件費を抑えようとしたくなりますよね。使えるスキルが同じで日本語も通じる、ってなって、それでお金が日本人より半分くらいで済むんだったら単純に考えてそちらを選んじゃうと思うんです。しかもあちらの方は結構するどい指摘をしてくる。「あいつら、何も考えずにつくるから」という人がいたけど、それは違う。まぁ、会社にもよると思いますが。

で、問題はここから。
日本人の協力会社への指示も的確にできない元請会社が中国に同じように丸投げしたとします。これが従来の日本企業だとなんとかうまくやってくれた。でもこれが中国だとまったく事情が違う。今までと違う形で納品してくる。それがまた正常系のある1パターンだけ動くようなものを納品してきちゃったりして。あれはすごかったなー。
で、あれこれ作り直させたりするために中国に飛んでホテルで1ヶ月くらい缶詰になってあれこれ修正指示をしたりする。結局、宿泊代とかがかさんで、日本の協力会社に発注してたほうが実は安かったという笑えない話が結構ありました。
ま、はずれの会社だったか、日本側の指示のまずさなのか、今になってはよく分かりませんが、明らかに従来の日本の協力会社への発注時と同じようなことをやった結果がこうなってしまった気がします。

そう考えると海外に発注してるんですよ、っていう意識、そしてもし問題等が発生したときのリスク対策ってあんまり考えてないんじゃないか?って思います。
相手を日本の協力会社とまったく同じ観点でしか見てないのではないでしょうか?
そのくせ、単価でしか見ないから日本の開発者はむげにされれてたりする。
リスクが発生したことも考慮してあっちに仕事を出すってことって見かけの単価でそのまま判断するってことにはつながらないと思うのですが。絶対にその単価に上乗せするコストが発生しているはずなのです。
基本的にオフショア開発をうまくされている会社の方は、その上乗せのリスクに関するコストがどんどん減ってるはず。相手との信頼関係がきちっと構築された後でも丸投げをしていないとか、きっちり気を配っているような気がするんです。
しかも日本側が指示の仕方とかも相当な経験の中でどうすればいいか?とか、どういう仕事を中国
に出すか?ってことをしっかり考えているのではないでしょうか?
指示の出し方、仕様書の書き方、コミュニケーションのとり方等のノウハウがどんどんたまっていくから、どんどん活用していけると思うのです。

しかも優秀な開発者は囲い込まれるのと同じように、きっと優秀な中国企業は囲われてるんじゃないのか?って思う。

ちなみに私が見てきたサンプル現場は2つだけであって、その2つとも上記のような状況でしたが、他の会社さんはきっとうまくやっていると思います。というか、うまくやっているからどんどんオフショア開発につき進んでいるんですよね?って聞きたい。
あくまで私の周りで起こってることに言及してるってことで。